🔴TPPの国会承認が、確実か? 2016年11月1日(火曜日)の朝日新聞朝刊一面。

いよいよ、国会承認確実か?

2016年11月1日(火曜日)の朝日新聞朝刊一面。『TPP法案4日衆院通過 政府・与党方針 今国会の成立濃厚』の見出しが走った。「TPPを巡っては、米大統領の候補者2人が反対の立場を表明。日本政府は、11月8日の大統領選までに衆院通過をさせることで、次期大統領に再交渉を要求されても応じる考えがないことを示しつつ、オバマ政権には残りの任期の内に批准を後押しできると考えている。・・・ただし、米議会での反対論は根強く、日本政府の思惑通りにことが運ぶかどうかは不透明だ。」

そして、4面に関連記事として『外国人企業参入を議論』を掲載している。条項の実態に踏み込んで、議論を深めてほしい。この記事を、脳裏に刻んでおきたい。

TPPで、日本政府は多国籍企業から訴えられる!

 

 

 

 

『ISDS条項は外国企業が進出先の政府の制度変更で不当な扱いを受けた場合、損害賠償を求めて国際仲裁機関に提訴できる仕組み。審議では、公明党の中川康洋氏が(日本政府が賠償を求められるといった)いろいろな懸念の声があると指摘した。
こうした見方について、石原伸晃TPP担当相は「(食の安全や環境保護など)公共の福祉目的の措置が提訴されることは考えらない。むしろ、日本企業の海外展開に重要な制度だ』と主張。参考人質疑では、与党推薦の鈴木五十三弁護士が「ISDSは投資家と受け入れ国の論争の場。投資仲裁のよき模範となりうる」と評価した。
一方、野党推薦の岩月浩二弁護士は、他の経済協定にも同種の条項があって米企業の勝訴が多いことを説明。「(米企業が)日本政府に対して使わないわけはない」と述べた。さらに、大規模パイプラインの建設許可を温暖化対策の観点から拒んだ米国政府がカナダ企業から150億ドル(1兆5千億円)を支払うよう訴えられた事例を紹介。政府が多額の賠償責任を負う可能性を心配した。(南日慶子記者)

と4面記事で報じている。
2015年の年末にTPPを巡っては、『食の安全』の観点からナンセンスであり、TPPが本格始動したら、「国民に2人に2人が、がんになる」のではないか?と懸念してきたわけです。
しかし、石原担当大臣は、TPPが憲法と各国内法の中間に位置づけらえた上で、ISDS条項を承認しておいて、「なぜ、食の安全が確保できると言い切れるのでしょうか?」。

韓国で食の安全のために「地産地消」の学校給食を推進する、各自治体の「条例」が
公正な競争を阻害する障壁と米企業から訴えられた、この事実を石原大臣はどう理解しているのでしょうか?不勉強にも程があります。不勉強だから、のんきに担当大臣を引き受けているのでしょうが。
国際的な仲裁機関の中身を知らない国民の大多数は、この新聞記事で、この仕組がそもそも米企業にとって最初から有利な仕組みであることを知る由もないのです。なのになぜ、国会で質問しないのでしょうか?
残念な議論です。

TPPの真実の姿は、石原大臣の説明とは真逆のようです。是非とも、元農林水産大臣で弁護士の山田正彦先生が書かれた『アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!』(CYZO出版)をご一読願いたいと思います。

ご一読頂ければ、先の石原大臣の答弁「(食の安全や環境保護など)公共の福祉目的の措置が提訴されることは考えらない」とは裏腹に、政府は既に「食品の安全表示」に関わる関連法規が、「競争を阻害した」として多国籍企業から訴えられるリスクを恐れて、着々と「食の安全を崩壊させかねない」法改正(産地表示など)を準備している事実が分かります。

TPPは、国民の健康を著しく損ねてしまう可能性があり、ますます日本を「がん大国化」する恐れがあります。

 

三井ヘルスケアみと

政府の説明は、ウソ!