父の急変 老々介護の限界
2016年の7月から、突然父の具合が悪くなりました。昼間は、普通なのですが、夜になると発熱し、38度以上になる日が3日程続きました。症状としては、「左側の肩甲骨の奥当たりに痛みがあり、左手が上がらない」との訴えでした。
近くの整形外科を2箇所受診しましたが、どちらの病院でも「単なる筋肉痛だろう」という診断で、湿布薬が処方されただけでした。
父の看病は、同居の母がしていましたが、老老介護であったため、3日目には心労で倒れる寸前でした。私は、「介護保険制度を利用して、母の共倒れを何とか防ぐことはできないか」と思案しました。
そこで、水戸市役所に電話したら、市から委託を受けた「高齢者支援センター」をご紹介いただきました。MJ館(社会福祉法人が運営する特別養護老人ホーム)に設置されている高齢者支援センターに電話をすると、担当のWさんが自宅に来てくだいました。
私が父と母の状況を簡単に説明したところ、Wさんは、一度帰った後、今度はケアマネジャーのMさんを連れ立って、すぐに、自宅を訪問してくれました。
お二人は、介護保険制度の利用について概要を説明してくれましたが、「通常は利用の申請から介護保険の認定までは、1ヶ月間は要する」と説明をしてくれました。
父は、これまでは2階の寝室に寝ていましたが、7月2日ごろから急に歩けなくなり、階段の上り降りができくなったので、その時は1階の居間に布団を敷いていました。
私が、お二人に父の現況をお話していると、父は、急にトイレに行きたくなったようでしたが、5分かかっても自力では、起き上がれませんでした。
「昨夜は、トイレが間に合わず、失禁してしまったようです。本人は、相当プライドが傷ついたようです。今は、リハパンを付けています」と、母が付け加えました。自力では布団から立ち上がれない状況を、しっかり確認して下さったお二人に対して、私は訴えました。
「痛みのせいで、父は夜中1時間おきに、起きてしまいます。その度に、母が起こされます。83歳の母の疲労は限界で、このままでは倒れてしまいそうです。世間では、よく老老介護で疲れて、いろいろな事件が発生していますが、もちろん家族の問題はあるでしょう。しかし、民生委員や周りで介護の資源を管理している人達にも、責任があるような気がします」と。
私も母も、電話してすぐに駆けつけてくださったことに深く感謝しつつ、お二人は帰っていかれました。
「利用開始まで、1月かかるとしたら、どういう体制をとればいいのか」考え倦ねていると、なんと、MさんがMJ館のショート・ステイの担当者を連れ立って、再訪問して下さいました。
「緊急避難的に、今日から3泊4日で、ショート・ステイで、友部さんをお預かりします。
Wが、市への申請書を今から書きます」。と申請書の起票と同時に、介護保険の利用開始をする、ウルトラCの離れ技を、Mさんは、やってくれたのでした。感謝・感謝・感謝。
これで母は、3日ぶりに安眠を確保できます。