「がん」の正体を巡っては、諸説あるようです。 『原始人食ダイエット』からご紹介
がんの正体を巡っては、諸説あるようです。
とても素人が議論できる領域ではありませんが、研究成果を (マキノ出版ムック)を著していらっしゃる崎谷博征医師が、『ガンの80%は予防できる』(三五館)で解説しております。
崎谷先生の講演は、2014年のガンコンコンベンションにおいて拝聴させていただきました。この本は、その講演を一般読者向けに著したものです。
『がんお80%は予防できる』において、崎谷先生は、従来の「がんを遺伝子の異常による病気」とする考え方から、「細胞内のミトコンドリアという小器官のダメージによって、遺伝子に異常が引き起こされることがガンの本質」(同、p.3)と結論しております。「遺伝子の異常は、結果であって原因ではない。ミトコンドリアの異常が、遺伝子の異常を引き起こしているのだ。」と述べておられます。
崎谷先生のご説明では、がん発生のメカニズムは「(1)ウィルス感染、慢性炎症、生活習慣の乱れ、放射線、化学物質、ストレス、大気汚染などによって、ミトコンドリアにストレスがかかる。(2)ミトコンドリアのストレス応答が、核にある遺伝子(DNA)に働きかけ、発酵のスイッチをOnにする。(3)発酵のスイッチが入る遺伝子が、Myc、Ras、Akt、Hif-1などである。(4)がん細胞は、発酵の材料として糖(グルコース)とグルタミン(アミノ酸)を利用している。」とご講演されました。(2014年ガンコンベンション)
そして、「(5)糖質の代謝産物(ケトン体)は、がん細胞が嫌がる物質であるが、同時に、正常細胞が活性化する物質である。」
この(5)で説いたがんの性質をりようして、「ケトパレオ」を提唱しておられます。
「ケトパレオとは、原始人食(パレオダイエット)をベースにしてガン細胞のエサをカットし、ガンがエネルギーとして利用できない脂質量を増やしたもの」です。
レシピ集は、『肉・魚が食べ放題の原始人食ダイエット』(崎谷博征、マキノ出版ムック)をご参照願えればと思います。
ここで、ちょっと生物の復習(「ミトコンドリア」とは)
エネルギーを生成する工場です。がん細胞は、ミトコンドリアの生成するエネルギーを必要とせず、解糖系のエネルギーを利用して成長する。そのため、がんに侵されるとミトコンドリアの中身が破壊されてしまう。
正常細胞は、ミトコンドリアのエネルギーで生きている。ミトコンドリアの原料は、幸いなことに、ハイブリッドで、ケトン体と糖である。しかし、がん細胞の原料は、糖だけである。
したがって、ケトン体ダイエットは、正常細胞にはエネルギーを供給しつつ、がん細胞にはエネルギーを供給しない結果をもたらす。だから、ケトンダイエットは、非常に有効なのです。
自分の体が、ケトジェニックになったかどうか?は、今や、自分で計測できるのです。それが、白澤先生がご指摘になった、Prosision Xtraです。
ケトパレオ食と白澤先生のケトン体ダイエットの違いは、ココナッツオイルを使うかどうかであると理解しました。
しかし、ここで重要な指摘をしておきたいと思います。
🔴カロリー制限ケトン食の臨床応用(2010)
崎谷先生の2014年のご講演で、紹介された事例です。
「65歳の女性。悪性脳腫瘍。2008年から進行性の記憶障害。慢性頭痛。吐き気。2ヶ月の(カロリー制限ケトン食)治療後、20%体重減少しましたが、脳腫瘍がPETでもMRI検査でもきれいに消失して検査できませんでした。ところが、食事療法をやめて10週間後には脳腫瘍の再発を認めました」と崎谷先生はご報告されました。
三井ヘルスケアみと