がんコンベンション(22回)3. 藤田紘一郎先生 『腸を鍛えれば体も心も元気になる』

藤田先生

藤田紘一郎先生(東京医科歯科大医学部卒、東京医科歯科大名誉教授)

藤田先生は、ご自身の体に何代ものサナダムシを飼って研究をされたことで有名です。
先生は、「今日この一時間の講演を聞いた人は、125歳まで生きられるようになります」と宣言。ネズミの実験から、ご飯を食べる時に、嫌なことをする(ストレスがかかる)と免疫力が落ちる事実を知り、「①いやな人とは食事をしない、②ストレスは大事た」と思ったそうす。
私たちの体の中では、37兆個の細胞のうち約2%の3,000個の細胞がミスコピーされて「がん細胞」となりますが、現在はICカードや電子レンジ、食品添加物の影響で、1日に10,000個のがん細胞が生成されているそうです。しかし、私達は自身の免疫力でがん細胞を消滅させています
その免疫力を支えているのが、腸内細胞が70%、こころの持ち方が30%。
アトピーやがん、アレルギーといった、Th-1とTh-2のバランスの病気は、薬では治せません。
50歳からは、精製した炭水化物を控えましょう長生きしている人は、肉を食べて、コレステロールが高く、血圧が高めの傾向があります。腸を大事にすれば、元気になります。
笑いは、NK細胞を活性化します。ですから、良いことをイメージして、生活しましょう。
そして、遺伝子ですら腸内で変えられるのです。ですから、腸を大事にする生活習慣を作りましょう。

先生が大学で、患者さん相手に面白い話をした時に、きちんと笑った患者さんのグループはがんが再発しなかった一方、苦虫を潰したような顔をして決して笑わなかった患者さんのグループではがんが再発したそうです。

本当は、随所に笑いを盛り込んで、一時間中笑いにつつまれた藤田先生の講演の骨子は、以上のような感じです。私に筆力があれば、笑いも再現できるのですが・・・。

ところで、がん細胞が日々生成しているという認識。この認識は、非常に大切です。次に、紹介するエピソードが、この認識を持つことの難しさを語ってくれます。
つまり、こうです。

前立腺がんを罹患し、陽子線治療とホルモン治療をうけた知人に、私が温熱療法の資格を取得したので、施術を申し出ました。それは、前田先生のクリニックの待合で知り合った患者さんから直接こうお聞きしたからです。「マイクロ波照射で、2000年にがん活性ゼロになったが。10年以上たってから、再発した」と。

ところが、知人は、「自分のがんは、落ち着いているから結構です」と自信をもって返答してきたのです。せっかく、治ったと自信を持って生活している人に、「再発のリスクを下げるために温熱療法は有効ですよ。」と言ってあげることは、何となく自分が脅しの営業をしているのではないか?と曲解されるのを恐れて、それ以上は何も言えなくなってしまいました。

しかし、「自分のがんは、落ち着いているから結構です」との認識こそが、1回目のがんを無事にサバイブできた患者が2回目のがんで、敗北する道へと導いているのではないでしょうか。

がんコンベンションの2日目の講演者であるコンラッド医師(アメリカのカルフォルニアにてがん治療を実施)が「アメリカにおいても、初発のがんに対して予算が70%以上割かれているが、実際に患者がいのちを奪われているのは、2回目のがんです」と、ご報告されていました。

医療の現場では、1回目のがん治療を完了し、その経過観察期間中にがんが再発しなかった患者に対して、こう助言すべきではないでしょうか。
あなたのがんは、幸いこの5年間に再発しませんでした。しかし、そのことは、今後一切がんが再発しないということとと、同値ではありません。」今後も、がんの発生しにくい生活習慣を維持するよう心がけて下さい」と。

三井ヘルスケアみと