苫米地英人先生の著作『TPPで日本支配をたくらむ者たちの正体』と「がん」予防
※本稿は、3月23日公開予定でしたが、TPPの緊急性に鑑みて、2018年3月6日に公開いたしました。
🔴苫米地英人先生の著作『TPPで日本支配をたくらむ者たちの正体』と「がん」予防
私は、「がん予防の食生活」の鍵は「地産地消の徹底にある」と考えます。そのため、戦後の食糧難の時代にアメリカからの食料援助の形で導入されてきた、「パンと牛乳の学校給食」も「がん予防の観点」からは、「地域でとれた玄米食と野菜の具だくさんの味噌汁」を中心にしたものに改める必要があると考えます。
しかし、このところのTPP論議を整理しますと、そもそもそんな力を自治体も国も持ち得なくなってしまいそうです。
なぜ、そんなことになるのか?電子版で読んでいますので、参照ページの代わりに位置で表示いたしますと、No.128/1996・7%の場所に記載されいる「TPPは国内法を修正させる力がある」の箇所です。
韓国のFTAについての記述です。
「また、後述するように、韓国の多くの自治体は『学校給食には極力、地元産の食材を使うこと』という条例を定めていました。『地産地消』という考え方です。自治体が『自分たちで作ったものを食べよう』いう条例を作るというのは、別に問題なさそうに思えます。
しかし、これにもアメリカは噛みつきました。『そんな条例があったら、学校給食にアメリカ産の食材が使えない。これは、自治体が自由競争を阻害している』というわけです。
『その通り。安全性に疑問がある食材を食べたくないから、排除しているんですよ』というのが本音でしょうが、そんなことを言おうものなら、間違いなく多額の損害賠償を請求されます。
自由競争の末に個人や民間企業の判断で選ぶなら問題ないが、そこに政府とか自治体が介入して、一部のものしか売れなくなるような政策を行うのはダメだという理屈です。
でも、安全かどうかわからない物を事前に排除するというのは、政府と自治体しかできませんし、それこそが自国民を守るという国や自治体の役割というものです。
しかし、市場原理至上主義ともいうべき考え方の人たちにとっては、この論理は通用しません。そして、TPPのど真ん中にいる人たちというのは、まさにこの市場原理至上主義者たちなのです。
『日本には米韓FTA以上のものを求める』と言っているわけですから、日本も最低でもこの韓国の事例のようになると考えておいた方がいいのです。
「がん予防」のためには、食の安全が担保できるように、TPPの条件を変更する必要があるのでしょう。
そもそも、締結条文を全文日本語訳で開示して頂かないと、議論にすらならない。国民の知る権利をしっかり行使して国会の場で明らかにしていただきたい。
🔴TPPは、日本の主権すら揺るがしかねない条約です。しかも、その内容の全貌は未だ国民に知らさせていません。特的機密保護法によって、外交文書が
その対象にされてしまったら、「国民の知る権利」は「いつ、どうのような方法で実現できるのでしょうか」。沖縄返還時の「密約」は、山崎豊子さんの
『運命の人』に描かれたように、「外務省機密文書漏洩」VS「国民の知る権利」の争いでした。もし、完全にその全貌が国民の目に触れることなく、
外務省によって、関連文書が「処分」されてしまうようなことが起きてしまったら、後世の歴史家もこの現代史を紐解くすべを失ってしまいます。政治家
の本当の評価も誤ったものになってしまうことでしょう。日本の「歴史」が消滅しかねません。
その意味で、関連図書をご紹介いたします。ご一読を。
🔴『TPP秘密交渉の正体』山田 正彦、竹書房新書 :筆者は元農林水産大臣・弁護士
🔴『アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!山田 正彦、サイゾー :筆者は元農林水産大臣・弁護士
🔴『食の戦争 米国の罠に落ちる日本』鈴木 宣弘 、文春新書、東京大学教授
🔴『悪魔の食卓 TPP批准・農協解体がもたらす未来』 鈴木 宣弘 、KADOKAWA、東京大学教授
🔴『主権なき平和国家 地位協定の国際比較から見る日本の姿』 伊勢崎賢治、布施祐仁。集英社
●「種子法廃止」(「すべての日本人よ、主要農作物種子法廃止(モンサント法に反対せよ=三橋貴明|マネーボイス、2018年2月25日)