本書を書いたもう一つの理由

本書を書いたもう一つの理由

3.11の原発事故から考えたことが、本書を書いたもう一つの理由です。

東京電力福島第一原発では、専門家は「想定外の津波が事故の原因」と言っておりました。しかし、NHKの深夜に放送されたBSの番組を丹念に見ると、明らかに東京電力と監督官庁の人為的な判断ミスが、結果として今回の深刻な原発事故をもたらしたと考えられます。

その理由は、2つあります。

第一の理由は、当初あの場所は海岸から30メールの大地でありました。それをわざわざ、陸を削って海面水準に原発を立地させました。その判断は、建設コストを削減するためでした。結果論から言えば、今回の被害額をトータルに環境汚染、日本ブランドの毀損までを金額換算したら、明らかにそこで節約できたこすとは、微々たるものです。

人間の知恵などまだまだ、自然界を完全に理解することの緒についてレベルなのだという謙虚さを持つべきでした。現に、原発をつくることはできでも、そのゴミたる放射性ブ物質を無害化できていないのですから

話は、脱線しますが、高速走行するドライバーが最初にマスターするべき技術は車を安全に止める技術だと伺ったことがあります。何よりも、生命の安全確保が出来る範囲でスピードを出そうという発想ですね。

その考えを原発に引きつけて見れば、最初に放射線物質を無害化する技術をマスターするべきだったのではないでしょうか?世の聡明な科学者に問いたい質問です

第二の理由は、福島第一で使用していたGE製のマークⅠが構造上危険であり、地震にきわめて脆弱なタイプであるため、輸出国のアメリカでは、プレートの安定している地域にしかあのタイプの原発が立地させていない現実です。さらに、GE社でマークⅠの開発に携わった方が、原発の欠陥をアメリカ議会で証言し、アメリカでは国民的な議論に発展しておりました。

技術的な問題ですが、自家発電装置を海面・水面より高い位置に2つ設置することや「ベント」を設置することです。たとえば、ミシシッピ川に隣接する原発では、川の氾濫にそなえて、自家発電装置を川の水位より高い位置に2つ備えていました。

それが、福島第一原子力発電所の場合ですと、当初海面より高い位置にあった自家発電装置を、その後の増改築の過程で海面より低い地下に2台とも移設していました。こうした増改築申請をなぜ、東電がしたのか?どうして、監督官庁の通産省はそれを許可したのか?我々国民目線でみれば、この両者はまさに専門家に他ならぬ訳ですが。

P,Fドラッカーは、かつて「プロフェッショナル(専門家)は、知りて害をなすな」と警句を述べておられます。それが、プロフェッショナルとしての矜持でしょう。

しかるに、この一連の経過を見るかぎり、専門家の判断ミスは極めて深刻な結果を帰結しました。この事実は、歴史に刻印されてしまいました。

なぜ、彼らの彗眼は、曇ってしまったのでしょうか?コスト再優先の企業論理と天下り先の先輩諸氏がお世話になっている東京電力には、特別な配慮が必要な省内論理が、安全性の確保より優先されたのでしょうか?

本当は、これら2つの先行する判断ミスの上で、3.11当日の必ずしも適切でなかったオペレーションがあったのかも知れません。が、その真相は、不明です。

しかし、『世界』(岩波書店)によれば、スリーマイル島原発以降の事故では、電源喪失は想定内の事象として、マニュアルも整備されていたようです。ですから、2号器、3号器のメルトダウンを防止できなかったのは、事故後の状況判断とオペレーションがマニュアルを無視したことによる、との見方が妥当なようです

その当たりの事実解明は、刑事事件として裁判で明らかになることを期待します。

3.11の構造は、日本社会が「国民にとっての安全性」という物差しでオペレートされるのではなく、企業や官庁の利権によって動いている構図を浮き彫りにしました。

3.11から、日本を取り巻く火山の動きが活発になっています。これは、広く我々国民一般の知るところです。活断層は、日本国中に存在し、活動予想はつきません。原発の真下に活断層が確認された例もありました。原発が完全に停止していたも、日本のエネルギーは、供給され続けました。この間、ドイツは脱原発を宣言しました。

ドイツでは、脱原発の判断を「専門家」任せにせず、素人集団の「倫理委員会」の決定によって実現しているそうです。「専門家」は、残念ながら「全体の利益を考慮した正しい判断ができない」と考えた方が、妥当なのです。何せ、その局所的知識の専門家でしかないのです。しかも、その局所の利権に雁字搦めで、身動きが取れない身分なのです

日本には、火山のエネルギーがあります。プリウスで培った蓄電技術があります。ミライで結実した、水素発電の新技術もあります。太陽光パネルも急速に普及しています。

もし、太陽光パネルと水素発電、蓄電装置を組み合わせれば、日本は世界に先駆けて石油に依存しない、自然エネルギー循環社会を実現できます。中東に石油を依存せずにすみます。そうすれば、ホルムズ海峡の有事に引きずり込まれる危険も小さくできます。

日本独自のエネルギー戦略を強力に推進し、エネルギー革命を起こせば、これ以上の成長戦略はないように思えます。これも石油利権にまみれて、舵がきれないのでしょうか?

 

やや、がんの話題から離れてしまいましたが、「利権が絡んで専門家が本当のことを発言しない」、「スポンサーに気を使って本当の記事をかけない」、そんな現実が蔓延しているとしたら、日本は「かつて来た道」を辿ってしまうのではないでしょうか。

素人談義に花を咲かせて、アメリカインデアンのように7代先の子孫の利益を考えるような社会にしていきたいと念じます。

福島第一原発で放射能に汚染された、日本国民にとって、がん予防の生活術は必須の知恵になってしまいました。中でも、福島県民の皆様や隣接県にお住まいの皆様には、是非ともゲルソン療法を生活の中に組み入れて頂きたいと思います。先日、福島第一原発で作業していたの白血病に、労災認定が降りたと報じられました。甲状腺がんの発生が、問題視されております。広島原爆投下に際して、発行食品である味噌を材料にした味噌汁をたくさん飲んでいた方は、被爆の後遺症が軽度で済んだと広島大学の調査結果もあるようです。

そうした叡智こそ、私たちの生命にとって最重要な情報ですが、そうした肝腎の情報はゴールデンタイムにテレビで報じられることはありません。

悲しいことに、今の日本では、「真に重要で、信じられる情報は、体験者たちの口コミ情報によるところが大なのです」。その意味で、このブログが体験者の言葉として皆様の生活にお役にたてたら、これ以上の幸せはありません。最後まで、半年間お付き合いいただき、ありがとうございました。

 

このブログは、横浜に高速バスで通院する車中の時間を活用して、MacBookAirで執筆しました。現代のIT事情にも感謝いたします。Apple社は、本当に実用的な軽いパソコンを開発してくださってありがとうございました。                            2018 6 9

三井ヘルスケアみと