がんコンベンション(22回) 11.宗田 哲男先生 『ケトン体が人類を救う』
11.宗田 哲男(北海道大学理学部卒、帝京大学医学部卒)宗田マタニティクリニック院長、『ケトン体が人類を救う』
お産と体外受精の両方を千葉県の市原市で行っておられます。
「8年前にご自身が糖尿病に罹患しました(HbA1c=8.6、血糖値=300)が、糖尿病の専門医には通わず、釜池豊秋先生(整形外科医)の『糖質ゼロの食事術』を実践。1日1食で、夕食にたっぷりの肉食に切り替えて1ヶ月後に体重が15Kg減少し、内臓脂肪型肥満が解消。全ての数値が正常に戻りました。
『医者の常識は、間違っている?』と考えました。そこで、『ヒトは何を食べてきたのか?』調べることにしました。地球の歴史は、46億年。生物の歴史は40億年。真核生物が現れて20億年。原核生物がミトコンドリアを獲得して、真核生物になりました。この段階で、脂肪をエネルギーに、つまり、ケトン体を活用できるようになりました。ヒトの歴史の大部分は、ケトン回路で回っていたが、農耕がケトン回路を眠らせた」そうです。
「今医者の99%は、ケトン体が悪いものだと考えています。糖質制限推進は、わずか1%」。
縄文の「タイムカプセル」と呼ばれる鳥浜貝塚の調査から、縄文人の食生活が明らかになりました。すると、当時の食生活は、脂肪+蛋白質が80%を占め、炭水化物は20%でありました。
これは、現在の糖尿病学会が炭水化物60%を推奨していることと対照的です。人類は、肉食で進化してきたのです。」と、糖尿病学会の推薦するバランスの根拠が不明確である点を指摘。
「糖質制限が、糖尿病だけでなく、がんにも有効なのです。それは、がん細胞が糖質をエネルギー源としており、ケトン体を利用できないからです。一方、ミトコンドリアはケトン体を活用できるのです。ですから、ケトン体体質にできれば、がんの成長を抑制することが可能です。」
では、どうしたらケトン体を目覚めさせることができるのでしょうか。
「①糖質を50g/日以下にする
②断食でもよい
③中鎖脂肪酸(ココナツオイル等)を摂取する
④タンパク質、脂質はしっかりとる
ことによって、ケトン体体質にすることができる」のです。
ケトン体測定器を学会で入手され、胎児のケトン体や胎盤を測定されたら、極めてケトン体体質であったそうです。4000mol/L.。
糖質制限が時代のトレンドとなり、糖尿病治療に対してインシュリンに頼らない治療法が主流になる日も近いのかも知れません。