渡邊 勇四郎医師の外来受診 2015年10月29日

そこで、私は早速予約をさせていただきました。それが10月29日です。

10月29日に、自家用車で厚木佐藤病院に出向きました。受診に際して、関連書籍を持参しました。『ゲルソン療法でがんを消した人に再発はない』(渡邉勇四郎)、『マックス・ゲルソン ガン食事療法全書』(マックス・ゲルソン著、今村光一訳)、『【決定版】ゲルソンがん食事療法』(シャルロット・ゲルソン他)少し、早めにつきましたので2時までの間に再度、それらの書籍に目を通し、質問事項を総括しました。
是非とも、先生からお伺いしたい点を2つに絞りました。

【質問1】ゲルソン療法は、あらゆるがんに効くのですか?つまり、固形性でない血液のがんである白血病にも効果があるのでしょうか?
【質問2】『ゲルソン療法でがんを消した人に再発はない』の46ページでご紹介されている「病院で行う輸液療法」は、経口で栄養を摂取できる我々でも受けることはできるのでしょうか?

2時になって、診察室に呼ばれました。初めてお目にかかる先生は、すごく若々しく見え、身のこなしもしなやかで軽々としていらっしゃいましたので、末期がんから回復した方にはとても見えませんでした。「がん細胞が体から完全に消失した状態」とは、こういうことなどだと実感しました。

既に私の状況については、お手紙でお知らせしてありましたので、早速先生のご講義を「紙芝居」で贅沢にもマンツーマンで1時間以上お伺いすることができました。その要旨は、こうです。

一言で言えば、先生ご自身の「転移性の前立腺がん」の体験記です。「ゲルソン療法」と「ホルモン療法」による治療の経過を詳しくご説明いただきました。「当初PSAの値が900あり、その段階でホルモン療法を実施し1月で210まで下げることができましたが、その後また値が上昇してしまい、ホルモン療法は打ち切って、ゲルソン療法に切り替えました。すると一時PSAは17.7まで上昇したものの、6ヶ月後に4.0にまで減少し2.8で推移しています。PSAの寿命は6ヶ月だからPSAが4.0になる半年前のカリウム/ナトリウムが11・55でした。」

続いて、先生の患者さんの8人の症例を詳しくご説明くださいました。詳細は、省きますが、全ての患者さんが半年程度の「ゲルソン療法」でK/Naが12を超えてPSAの4を切っておりました。そして何より7年経過後の現在でも皆再発していないとのことでした。

何よりの圧巻は、「ナトリウム・カリウムポンプ」の解説でした。

「60兆個に及ぶ細胞は、細胞膜の内部では、Naが10mEq/Lで外側が144mEq/Lです。一方Kは、細胞内部が140mEg/Lで外部が4mEq/Lの濃度差があり、その濃度差を維持している酵素がNaKATPアーゼです。この酵素は、細胞膜の中にナトリウムが増えるとナトリウムを膜の外に汲み出したり、カリウムが減るとカリウムを取り込む働きをしています。

ところが、100年前から「塩を使った長期保存と長距離輸送」によって「食料の自給自足」が崩れて以来、私たちの味覚が塩の効いた食材を美味しいと感じるように変化してしまいました。その結果、ナトリウムの摂取が増加し、細胞内にナトリウムが大量に流入してしまい、「ナトリウム・カリウムポンプ」が正常に働かなくなってしまった。

「ナトリウム・カリウムポンプ」が正常に働いている内は、「がんはアポトーシスする」ので増殖しないが、塩分の摂り過ぎで「ナトリウムとカリウムのバランス」が崩れて、「ナトリウム・カリウムポンプ」が正常に働かなくなると「がんがアポトーシス」しなくなります。これが、「がんの仕組み」です。(詳しくは、『ゲルソン療法でがんを消した人に再発はない』の30ページをご覧いただければと思います。)

そこで、「ゲルソン療法」では、「K/Na>11.55」を実現するため、分子を大きくし、分母を小さくするような食事を提案しているのです。「ナトリウム・カリウムポンプ」が正常に戻れば、がんの再発はありません。」と解説してくださいました。

自分ひとりで読んだだけでは、「ナトリウム・カリウムポンプ」の箇所が今ひとつピント来なかったのですが、やっと納得出来た気がしました。
そこで、用意してきた質問をお尋ねしました。

友部 【質問1】ゲルソン療法は、あらゆるがんに効くのですか?つまり、固形性でない
血液のがんである白血病にも効果があるのでしょうか?

渡邉 『ゲルソン療法でがんを消した人に再発はない』の35ページの表を見て貰えばそ
の答えは、自ずと見えてくると思います。つまり、1日何リッターも人参ジュース
を飲んで3年近く飲み続けても血清中のNaとKの値はNaが139〜142、Kが
4.5から5.3の間で推移し続け、極めて安定しています。
一方、尿中のKは32.7から165.9へと増加しています。

友部  血液中のナトリウムとカリウムの濃度は、恒常性によって強固に維持されるメカ
ニズムがあるのですね。

渡邉  血液中のナトリウム濃度は、生物にとって余程重要なのでしょう。だから、余分
に入ってきたカリウムは、尿中に掃き出されてしまう。つまり、ゲルソン療法で
は、細胞中のナトリウムとカリウムのバランスをコントロールしてがんのアポト
シスを復元している訳ですが、血液中はコントロールできない。
あるいは、マックス・ゲルソンの書作を読んでも、白血病を直したという症例
は一切ありません。
だから、ゲルソン療法は白血病には効かないと言えるでしょう。

友部  【質問2】『ゲルソン療法でがんを消した人に再発はない』の46ページでご紹
介されている「病院で行う輸液療法」は、経口で栄養を摂取できる我々でも受
けることはできるのでしょうか?

渡邉   輸液療法は、嚥下困難な患者さんに、高カロリー基本液を24時間点滴する治
療です。ですから、基本的に現在はがん治療とは保険で認められていません。
症例が3件あれば、がん治療として認められることにはなっています。
私の別の書作である『あなたのがんを消すのはあなたです』(文芸社)では
第九章に「輸液療法」として3症例を記述してあります。
しかし、仮に「輸液療法」が保険適用になったとしても、病院は経営上の問
題から「輸液療法」を採用することはないでしょう。なぜなら、非常に保険点
数の高い抗がん剤が一方にあり、病院経営者は当然稼げる治療方法を選択する
と考えられるからです。

友部   「輸液療法」に注意点はありますか。

渡邉   医師の間では常識ですが、高カリウム血症が危ないですね。カリウムの濃度が
高くなりすぎると心臓が停止していまいます。人参ジュースなどは、腸から吸
収するので濃度が高くなることなく、自然に吸収を抑えてしまうので心配はい
りませんが、点滴だとダイレクトですから、いきなりたくさん入れと、心臓が
停止してしまうので、増やしていくことです。

私は、渡邉先生のお答えをお伺いして、「食事療法には、この2ヶ月間の自分の苦労を振り返ってみても、時間がかかるので病院で簡単に点滴で栄養を入れ、その栄養が既にナトリウムを極度に抑え、カリウムを大量に含有していたら、人参ジュースでコツコツと苦労しなくてすむのになー。それに、高額な抗がん剤が患者の生活をかなり困難な状況に追い詰めている現実と国家財政に対する医療費の高騰、国民の2人に1人ががんになる時代の安価な治療法として病院での点滴によるゲルソン療法は有力なのではないでしょうか」と心のなかでつぶやいてしまいました。すると、先生は続けられました。

渡邉  ゲルソン療法は、もう70年も前にアメリカで始められた。しかし、未だに医
師会、看護師会、薬剤師会からボイコットされている。なぜ、こんなにゲルソ
ン療法が普及しないのか?それは、ゲルソン療法が、本物だからだよ。

友部  先生は、勇気がありますね。『あなたのがんを消すのはあなたです』と『ゲ
ルソン療法でがんを消した人に再発はない』の2冊もお出しになって。

渡邉  僕は、もう一冊本をだしていますよ。『You can ELIMINATE Your Cancer』
これは、『あなたのがんを消すのはあなたです』の英語版です。これを読んだ
海外の医師が「輸液療法」を試してくれたら、世界で症例が増えるでしょう。
そうすれば、あと10年後には、日本でも輸液療法ががん治療とし認められる
日が来る。そう期待しています。

先生の熱い思いに改めて感動した私は、その場で渡邉先生から直に『あなたのがんを消すのはあなたです』を購入させていただきました。

診察を終え、尿を取って検査していただくことにしました。検査結果については、メールでお知らせいただき、次回以降の採尿については、郵便とメールだけで済むようになりました。約90分に及んだ診察は無事に終わりました。
田口温熱師、前田先生、そして今日は渡邉先生にめぐりあえた幸運に深く感謝しました。そして、一人でも多くのがん患者さんに、私の体験記をまとめて、早く読んでいただきたいと決意を新たにしました。

 

三井ヘルスケアみと