消化器内科のベテラン医師 登場
若い先生に、血液検査をしていただいたところ、ヘモグロビンの量が前回の検査で「16」あったものが「8」を切っていることが分かりました。
急遽消化器内科の先生を呼び出して緊急手術をしていただけるようになりました。家族に連絡を取るように言われ、家族も病院に駆けつけてきました。
かなり意識は朦朧としつつありましたが、手術をしてくださる消化器内科の先生に
「先生、血液が足りなくても、輸血はしないでください。」と自分でお願いしたことだけは覚えいます。
手術が終わったら、普通の病室には戻してもらえず、特別病棟のそれもナースステーションのわきに他の患者さんと並べられていました。そこに、家族が顔を見せに来ましたが、瞬間言葉を交わしただけでした。
その日は、急患が多かったようで、ほんの少し滞在しただけで、特別病棟のナースステーションから一番遠い豪華な個室に移されました。
「ナースステーションから遠い部屋に行ってもいい程度なのか?」と少し安心していたところに、執刀してくださった先生が、回診に来てくださり
「傷口は完全に塞いであります。貧血ですが、増血剤を出しますので、あなたの年齢なら回復は早いでしょう」と有難い言葉を掛けていただけました。増血剤の効果著しく、3日程度の入院で職場に復帰できました。
この出来事で、緊急の呼び出しに迅速に対応する医師の姿に、やはり一般の職業とは一線を画す「プロフェッショナルとしての医師」を感じました。こんな医師に少年時代に出会っていたら、私も医学部を目指して、猛勉強をしていたかも知れません。
それにしても、あの時を振り返ると「よく輸血を拒否した」と自分を褒めてやりたい気持ちです。当時は、法律の勉強ぐらいしかしていなかったので、「エホバの証人」の輸血拒否をめぐる判例を思い出すのがせいぜいでしたから。
今でこそ、いろいろ医学に関連する知識を得ました。船橋先生の『血液の闇ー輸血は受けてはいけない』内海聡共著(三五館)を読むとぞっとします。