生活の中に瞑想を取り入れる がん予防としての瞑想

「がんコンベンション」で、寺山先生から「自然治癒力を増加させるために」瞑想を生活に取り入れられた講演を拝聴して以来、瞑想に興味を持っていたところ、NHKのBSで、2016年9月18日に取り上げれてくれました。

そこでは、「宇宙飛行士のストレス対策」の研究が紹介されました。NASAやJAXSAの研究、広島大学での取り組みも紹介されました。

コーピング」と言われる手法です。予め、ストレスを感じたときに、自分で対処するべき項目をリストアップしておきます。たとえば、①公園を散歩する。②音楽を聴く。③日帰り温泉のサウナに入る。④コーヒーを飲む。⑤家族と話をする。⑥楽器を演奏する。⑦ジョギングする。⑧お酒を飲む。⑨友達にメールする。⑩本を読む。などです。

そして、ストレスを感じた時に、「どの項目を実施したか、その効果はどうであったか、点数で評価します」。これを、繰り返すと、「自分にはどの方法が適切か」が分かるようになります。

この時、「脳では、前頭前野が働き、扁桃体に対して『そんなに興奮しなくても大丈夫だよ』となだめている」のだそうです。すると、「扁桃体が静まり、扁桃体が萎縮する」ようになります。その結果、「ストレスをコントロールできる」ようになります。

また、「人は、活動時間の約半分の時間について、過去や未来の心配事で頭を占領されている」そうです。そして、「過去や未来の心配事で絶えず、ストレスにさいなまれる」結果に陥ってしまいます。

瞑想をすると、「過去や未来への思考をシャットダウン」することができ、「現在に集中することができる」ので、結果として、「ストレス量を半減できる」のです。しかも、「萎縮した海馬が、体積を増加させる変化まで起こしている」のです。

人は、「思考をコントロールできれば、結果的に。病気もコントロールできる」のです。「病は気から」の含蓄は、ここまで深いものだったのです。

かつて、イエス・キリストが教えた「明日のことを思い煩うな」と言う教えやD・カーネギーが『道は開ける』の中で説く、「今日1日に集中せよ。昨日と明日を締め出し、今日一日を生きよ」の含意が、やっと現代医学で分かった、ということなのです。

科学は、今やっと、「先人の叡智の本質について、その理由を説明できる水準に達しつつある」のです。その観点で、「東洋医学を解釈する時では、ないでしょうか?」。

是非とも、がん対策だけでなく、うつ対策としても、瞑想を日々の生活に取り入れたいものです。

実際の瞑想方法は、『1日10分で自分を浄化する方法 マインドフルネス入門』(吉田昌生、WAVE出版)は、CD付きですので、そのナレーションにしたがって初心者でも始められます。

三井ヘルスケアみと