アドバンスクリニック横浜 その7: 運命の通院日 

2015年07月28日

いつものように、午前8時30分の高速バスに乗って、横浜に向かう。バスの中で、前回通院時の原稿をしたためつつ、今日の「O-リングテスト」、不安と期待が入り混じった気持ちで、時々車窓から風景を楽しんでいます。

1月19日に初めて、アドバンスクリニック横浜に通院してから今日で28回目。毎週土曜日に出勤した代休を火曜日にいただける仕組みを上司が作ってくださったから、可能だった通院です。

土曜日には、一人で日直をするため、周りからの中断が少ないので、かえって仕事の生産性を挙げることで、前倒しに仕事を進めることができました。そのおかげで、火曜日の通院時に、仕事の心配をするストレスから解放され、治療に専念することができました。

日本の平均的な職場では、「上司や同僚がここまで理解があることは稀ではないか」と思います。それも、私を温熱療法に誘ってくださったから同僚が、職業人としてもとても立派な仕事をこなしてきた実績が、上司に認められてきたことが、いわば「外堀」として私の事例にも好影響を与えてくださったからだと感謝しています。

また、自由診療の通院を週1回続けることは、大学3年の長男を東京の私立大学に通わせ、高校3年の娘を私立の高校に通わせることには、かなり負担がありました。息子には、事情を話して大学から奨学金をもらえるように手続きをしてもらいました。

これまた、いつものように、12時には病院の待合室に入り、ブラインドのしてある受付の隙間に診察券を滑り込ませ、小さな声で「お願いします」。午前の部の診察が、終わったばかりで、当然他の患者はまだ誰も来ていなかった。

MacBookAirを取り出し、この『体験記』に取り掛かった。
「がんゼロ1回目」の診断を得てから、私は、是非とも代替医療でがんを克服できた体験談を本にして、抗がん剤で苦しんでいる人や、希望を失っている人に、この現実の事例をご紹介したいと痛切に考え、通院の車中でも原稿が書けるようにMacBookAirを購入しました。

この頃には、通院する方とも会話が弾むようになっていました。いつも私の次にお見えになる方は、「がん」が背骨に転移している状態だと話してくださりました。その方が、「定刻」にお見えになったので、私はさっそく日曜日に行った『岩盤浴』のお話をしました。先週の金曜日にもスーパー銭湯の岩盤浴恐るべきし、とお話をしておりましたが、その方のお住まいの地域には、あいにく岩盤浴がなかったそうなので、NPO法人日本温熱療法協会が販売している「温熱のシート」の話をしました。私は、この時点では「温熱シート」を持ってはいなかったのですが、私にこの世界を教えてくださった同僚が、その効果を実証していました。

「昨年の暮れから、温熱のシートと温熱器の併用で劇的症状にが良くなりました。その後、さらにこのアドバンス・クリニック横浜でマイクロ波をやったら6ヶ月でがんが消えました。どうも、がんの大きくなるスピードとがんを殺そうとするスピードというか、エネルギーの差が問題のようです。その方は、肺がんが転移していて、「がん」のステージも進んでしまっていました。抗がん剤治療はやめ、地元の温熱療法院に通院する傍ら自宅でも温熱器で治療をしていましたが、どうも一進一退といった感じででした。そこで、思い切って温熱シートを購入(約17万円)しました。自宅で寝転んで、温熱シートを背中に敷き、胸の上から温熱器を当てて、サンドイッチのようにすると注熱のパワーが増えて、がんの増殖スピードを超えたようですね。単純な足し算と引き算です。だから、もし岩盤浴が近くになかったら、温熱シートもいいかも知れませんね。」とお話しました。

話し終わったころ、診察室に呼ばれました。
先生に「こんにちは。よろしく、お願いします。」と告げ、「O-リングテスト」を受けました。
助手の方が、「がん」のサンプルを左手に軽く握りながら、杖の先を私の体に近ずけ、胸から胃、腸の辺りを指していきます。その間、前田先生は、その助手の「O-リング」を何度も開こうと試みています。

私は、軽く目を瞑りながら「どうか今日も、『がんゼロ』でありますように。岩盤浴の成果がありますように。来週から2週間に1回の通院に変更となりますように」と祈りました。

体の表側が終わりましたが、先生は一言も仰有りません。「では、裏を向いて」とだけ言われ、壁の反対側を向きました。診察室の壁には、患者さんに「温熱器」の機能を説明するためのイラストが貼り付けてあり、それが目に飛び込んできました。「温熱器」をがんに当てると、次第にがん細胞が小さくなっていく過程が3段階で描かれていました。

ぼんやりそのイラストを眺めながら、再び「是非とも今日もがんゼロとなりますように」と祈りました。

体の裏側の診察を終え、先生は「がんが消えました。来週からは、2週間おきで大丈夫でしょう。」と仰有りました。1回目の宣言をいただきた時は、「やった」と叫んでしまった私でしたが、今回は言葉がでませんでした。無言で、深々とほぼ90度にお辞儀をして「ありがとうおございました。では、来週の予約をキャンセルして、8月の中旬に入れ直します。」とお礼を述べて、診察室の隣の治療室に移りました。

治療室には、あのマイクロ波照射器があります。大きな箱が二つあり、その間に自分が立って入り目を守るための特殊なメガネを付けてから、マイクロ波を患部めがけて照射してもらいます。時間的には、3分にも満たない時間です。「温熱器」がどうしも体の表面から温熱を注熱するのに比べて、この機械は内臓を中から温めるため、効果は絶大です。

そのマイクロ波を照射してくださる看護士さんが、「良かったですね。お体はお変わりありませんか?では、始めますよ。」と治療をしてくださいました。「がん活性」が残っていた頃には、マイクロ波を照射してもらうと、部分的にかなり熱くなる場所が数か所あり、いかにもがんが焼けていると思える感触がありました。しかし、今日はほとんど、それもなくなりました。

「がんがゼロ」になるまでは、マイクロ波治療の後も、もう一度前田先生のo-リングテストを受けましたが、治療前にがん活性がゼロになってからは、そのまま終了です。受付で、会計と次回の予約を8月中旬に変更して終わりでした。

待合室にいた別の知人に、「がんゼロ3回目」を告げると、共に闘う戦友として祝福してくださいました。
8階のビルから横浜駅西口に向かう途中で、上司、同僚、家族に「がんゼロ3回目を達成し、次からは2週間に1度の通院でok。」をメールしました。そして、帰りの高速バスでこれを書きました。

 

三井ヘルスケアみと